「答え」ではなく「観点」を引き出す|DX推進担当者が実践するAIの使い方

「答え」ではなく「観点」を引き出す|DX推進担当者が実践するAIの使い方

「新しい取り組みを進めたい、でも何から始めればよいのか——」

DX推進部門は、常に新しい取り組みを求められている部署です。前任者の事例があるとは限らない。社内に詳しい人がいるとも限らない。

それでも、現状を把握し、構想を描き、ベンダーと交渉しながら導入を進める必要があります。

そんな立場で動く担当者にとって、「考えを整理する相手」「観点を補ってくれる相棒」の存在は、想像以上に大きな価値を持ちます。

この記事でわかること

DX推進担当者がStella AI for Bizを「相棒」として活用し、新領域の検討を進めている実践法を紹介。

  • 社内に相談相手がいない領域で、検討を前に進める方法
  • 「答え」ではなく「観点」を引き出すAIへの問いかけ
  • ベンダー折衝前に議論に備える方法

こんな経験はありませんか?

  • 新しい取り組みを検討したいが、何から始めればいいのかがわからない・社内に相談できる相手がいない
  • ベンダーとの打ち合わせで、知識不足から主導権を取られてしまう
  • 自分の考えが正しいのか、観点に抜けがないのか、自信が持てない

新領域に挑むほど、「情報収集」「観点整理」「判断の精度」を一人で抱える時間が積み上がります。

この記事では、製造業のDX推進担当者S氏が実践している、Stella AI for Bizを「右腕」として使うやり方を紹介します。

Before / After

クニヒロ株式会社でDX推進室に勤めるS氏は、前例も知見も存在しない領域に挑戦することとなりました。何かを進めるたびに、情報収集から観点整理まで一人で抱える状態が続いていました。

Before(従来の業務フロー)

社内に相談相手がいないまま、自分で一から情報収集 →観点の抜けに気づけず、判断の精度に不安が残る →ベンダーとの打ち合わせでは、知識不足から主導権を取られがち

「自分の考えに、何が抜けているか」を確かめる手段がありませんでした。

After(AI活用後)

Stella AIに現状を入力し、情報を収集 → 観点・リスク・必要なステップを引き出す → 違和感や疑問を投げ返しながら、対話で論点を深堀り →ベンダー折衝の場には、議論武装・情報武装した状態で臨める

「1人で考えていた頃」から、「1.5人で考えている感覚」に変わりました。

実践STEP:新領域の検討を前に進める3ステップ

ここでは、S氏が実際に取り組んでいる「ゼロトラスト構成への移行検討」を例に、3つのSTEPを紹介します。

S氏の会社は現在、社内ネットワークをVPN構成で運用しています。次のステップとしてゼロトラストへの移行を検討したいが、社内に詳しい人がいない。そんな状況での進め方です。

STEP1|現状を入力し、必要な要素を引き出す

最初のSTEPは、自分が今いる地点をAIに正確に伝えることです。

S氏の場合、現状のネットワーク構成、検討している方向性、社内の温度感などを入力します。そのうえで、こう聞きます。

▼ 実際の聞き方

現状こういう状況なんだけど、何をしたらいい?

ここがポイント

抽象的な質問だけではなく、現状の前提を入れたうえで聞くことで、回答の解像度が大きく変わります。「ゼロトラストについて教えて」ではなく、「自社の状況を踏まえて、VPN構成からゼロトラストに移行したい、何が必要か」と聞く。 これだけで、AIは自社の状況に沿った回答を返してくれます。

最初の回答を受けて、S氏はさらに細かい点を聞き直します。

「これってどういうこと?」「もっと具体的に何か教えて」——

疑問が出るたびに、対話を重ねて掘り下げていきます。

STEP2|観点・リスクを問いかけて深掘る

ある程度の理解が進んだら、次は「観点の抜け」を引き出す段階に入ります。

S氏が繰り返し使っている聞き方が、これです。

▼ 実際の聞き方

こういう場合、気をつけないといけない観点があったら教えて

ここがポイント

この聞き方が機能する理由は、「答えをもらうのではなく、自分の思考の抜け漏れを確認する」使い方になっているからです。

一人で考えていると、自分の知っている範囲のリスクしか見えません。AIに「気をつけるべき観点」を聞くことで、考慮していなかった論点が浮かび上がる。出てきた観点に対して、「これは自社には当てはまらないな」「これは確かに見落としていた」と取捨選択していけば、自分の検討の精度が一段上がります。

STEP3|違和感や疑問を投げ返し、ベンダー折衝に備える

最後のSTEPは、AIの回答に違和感を感じた箇所をそのまま投げ返すことです。

S氏は対話の中で、「これは明らかに違うな」と感じる指摘があれば、そこを突っ込みます。コスト面の確認をしたり、別のやり方を聞いたり、代替案を比較したり。会話を往復させながら、検討の深さを上げていくやり方です。

▼ 実際の聞き方

こういうお金の話とか、もっと安くやる方法はないの?
この方法だとできないの?

ここがポイント

ここで疑問点を詰めておくと、ベンダーとのやり取りでも、ほぼ答えありきで話ができるようになります。

知識不足のままベンダーと話すと、相手の提案を評価する基準が自分の中にありません。逆に、AIで論点を整理し、想定される選択肢を頭に入れた状態で臨めば、「これについてはこう考えているがどうか」と問いかける側に回れます。

S氏はこの状態を「理論武装・情報武装して臨む」と表現しています。

得られた成果

3つのSTEPを使い分けることで、S氏の業務は次のように変わりました。

社内に相談相手がいない領域でも、検討を前に進められるようになった。 ベンダー折衝でも、ほぼ答えありきで話ができる。

具体的な時短数値だけでは測れない成果として、判断の精度と意思決定のスピードが上がりました。「自分の考えに何が抜けているか」を確かめられる相棒がいることで、迷いに使っていた時間が、前に進める時間に変わっています。

クニヒロ株式会社 S氏の声

「DX推進室は、新しい取り組みを求められる場面が多い部署です。前任者の知見がない、社内に詳しい人もいない、それでも前に進める必要がある。そういうときにStella AI for Bizは、本当に相棒のような存在です。」

S氏は、自身のスタンスを「質問しまくり」とも表現します。

「既存業務がほぼないので、本当に質問しまくりという感じですね。何をするにしても情報収集するところから入るので、AIに調べてもらいながら、観点を引き出しながら、自分の考えを整理していく。一人で全部抱えていた頃と比べて、考える幅が明らかに広がりました。」

応用・発展ヒント

この「調査と壁打ちを行き来する」使い方は、様々な場面に展開できます。

① 新規企画・提案業務での活用

新規企画の検討段階で、「観点を引き出す」聞き方が効きます。市場調査・競合分析・リスク洗い出しなど、論点の網羅性を求められる業務で特に有効です。一人で考えると抜けがちな視点を、AIとの対話で補完できます。

② ベンダー選定・折衝の準備

複数ベンダーから提案を受ける前に、AIで論点を整理しておく。各社の提案を評価する基準を自分の中に作っておけば、相手の説明に流されることなく、冷静な比較検討ができます。

③ 「答え」ではなく「観点」を引き出す習慣化

S氏の聞き方の核は、AIに答えを丸投げしないことです。自分で判断するための観点を引き出してもらう。この姿勢を持つだけで、AIとの対話は「便利な検索」から「思考の相棒」に変わります。

まとめ

DX推進室のように常に新しい取り組みを求められる立場では、「考えを整理する相手」「観点を補ってくれる相棒」の存在が大きな価値を持ちます。

現状を入力して必要な要素を引き出し、観点を問いかけて深掘り、違和感を投げ返してベンダー折衝に備える——調査と壁打ちを同じ場で行き来することで、AIは「相棒」として機能します。

「AIに何を聞けばいいかわからない」という方は、まずひとつの聞き方から試してみてください。「気をつけないといけない観点があったら教えて」——この問いかけだけで、考える幅が広がる実感を得られるはずです。


この記事で紹介した仕組みは、Stella AI for Bizを活用して実現しています。