「資料を作り込んだつもりなのに、また差し戻しか——」
報道発表やインシデント対応の資料。丁寧に準備したつもりでも、経営幹部から想定外の指摘を受けて差し戻しになってしまう。
この記事でわかること
視点を指定して資料を渡すだけで、多角的な想定問答と資料修正案が2ステップで完成。
- 複数の視点から資料に対する質問・指摘を一括生成するプロンプト
- 想定問答の回答案と資料修正案をまとめてAIで作成する手順
- テンプレート化して次回以降は資料を渡すだけで実現する仕組み
こんな経験はありませんか?
- 「法務の視点では?」「財務の観点では?」と複数の立場からの質問を1人で考えるのに限界がある
- インシデント対応など、スピードが求められる場面ほど想定問答の準備に時間をかけられない
- 自分の視点の偏りに気づかないまま、想定外の質問に詰まった
この記事では、多角的な視点からの想定問答を一気に洗い出し、資料をブラッシュアップするStella AI for Biz実践法を紹介します。
Before / After
従来、想定問答の作成は「担当者が資料を作り・読み返しながら、経営幹部や各部門の立場に立って質問を考え、チーム内で議論する」のが当たり前でした。複数の視点を網羅しようとするほど時間がかかり、スピードが求められる場面では特に大きな負担になっていました。
Before(従来の業務フロー)
担当者が資料を読み返しながら想定質問を洗い出す →経営幹部・法務・財務など複数の視点を自分で切り替えながら検討
視点の偏りや見落としが生まれやすく、資料作成と並行して行うため時間的な負担も非常に大きいです。
After(AI導入後)
資料をAIに読み込ませ、「経営幹部の視点で」「法務担当の視点で」など複数の視点を指定して質問・指摘を一括生成。 →AIが出力した想定問答をもとに資料を修正・ブラッシュアップ。
担当者だけでは網羅しきれなかった多角的な指摘が、一度に揃います。
実践STEP:2ステップで想定問答・資料改善案まで完結
STEP1|資料を読み込ませ、複数の視点で質問・指摘を生成する
資料をAIにアップロードし、立場を指定して質問・指摘を生成することで、さまざまな視点からの質問が一気に揃います。
▼ プロンプト例
あなたは広報・経営企画の資料レビューを支援するアシスタントです。
添付の資料を読み込み、以下の視点それぞれから想定される質問・指摘を洗い出してください。
# 資料の用途
報道発表に向けた社内説明資料
# 視点と着目ポイント
- 経営幹部:事業への影響・リスク・意思決定の根拠
- 法務担当:法的リスク・表現の適切さ・コンプライアンス
- 財務担当:コスト・収益への影響・数字の根拠
- 広報担当:対外的なメッセージ・メディアからの反応
# 出力形式
視点ごとに質問・指摘を3〜5つ、箇条書きで出力してください。
懸念度が高い項目には「★」を付けてください。
資料の修正が必要な箇所があれば、あわせて指摘してください。
# 注意点
判断が難しい箇所は「要確認」と明記してください。ここがポイント
「○○の視点で」と立場を明示することが、このプロンプトの肝です。同じ資料でも、経営幹部・法務・財務・広報では着目するポイントがまったく異なります。視点ごとに着目ポイントを添えることで、より精度の高い質問・指摘が返ってきます。
STEP2|想定問答と資料修正案を作成する
質問・指摘が揃ったら、想定問答と資料の修正案を一気に作成します。
▼ プロンプト例
あなたは広報・経営企画の資料作成を支援するアシスタントです。
以下の質問・指摘をもとに、以下の2つを作成してください。
# ① 想定問答の回答案
各質問に対する回答を2〜3行で簡潔にまとめてください。
回答が難しい・情報が不足している項目は「要確認」として確認すべき内容を添えてください。
回答は経営幹部や報道関係者への説明を想定した丁寧な表現にしてください。
# ② 資料の修正案
質問・指摘をもとに、修正が必要な箇所を特定してください。
各修正箇所について、以下の形式で出力してください。
【該当箇所】
【現状の記載】
【問題点】
【修正案】
優先度が高い修正箇所には「★」を付けてください。
# 質問・指摘内容
{STEP1で生成した内容を記載}ここがポイント
STEP 1の出力をそのまま入力として渡すことで、2ステップが一本のフローとしてつながります。担当者は生成された内容を確認・調整するだけでよく、ゼロから考える負担が大幅に軽減されます。
さらに便利な使い方:テンプレート化して次回以降は資料を渡すだけ
今回作成したプロンプトをテンプレートとして保存しておくことで、次回以降は資料をアップロードするだけで同じクオリティの想定問答が即座に生成できます。
一度テンプレートを作ってしまえば、インシデント対応のようにスピードが求められる場面でも、資料を渡すだけですぐに使えます。
「経営幹部の視点」「法務担当の視点」など、自社の状況に合わせてカスタマイズしておくことが重要です。使うたびにプロンプトを磨いていくことで、組織の中に「想定問答のナレッジ」として蓄積されていきます。
得られた成果
複数の視点からの質問・指摘をAIが一括で生成することで、担当者1人では気づきにくかった視点の偏りや見落としを事前に潰せるようになりました。資料作成時に想定問答を考える時間が大幅に削減されています。
Stella AI担当者の声
「○○の視点で、と指示を出して、自分自身では気付けない視点からの疑問点を洗い出せることは、想定問答の作成や資料の質向上だけでなく自身の理解促進にもつながっています。毎回ゼロから考える負担を減らせることが大きな価値です。日常的に発生する付議資料やレビューへの活用が、次のステップとして見えています。」
応用・発展ヒント
今回の活用法は、報道発表以外の場面でも応用できます。
① 株主総会・IR説明会の想定問答準備
「個人株主の視点で」「機関投資家の視点で」「アナリストの視点で」と立場を指定することで、財務・事業戦略・リスクなど多角的な想定問答を事前に準備できます。本番で想定外の質問に詰まるリスクを減らし、経営陣が自信を持って臨める準備をサポートします。
② 新規事業・企画提案のプレゼン前の反対意見の先出し
「懐疑的な役員の視点で」「競合優位性を疑う視点で」など、厳しい立場からの質問をAIに洗い出させることができます。提案を通すために何を補強すべきか、資料の弱点を自分で先回りして潰せます。
まとめ
報道発表やインシデント対応など、スピードと精度が同時に求められる場面での想定問答作成。担当者だけで複数の視点を網羅しようとすると、どうしても限界があります。
視点を指定して資料を渡すだけで、多角的な質問・指摘が一気に揃い、資料の抜け漏れを事前に潰せます。テンプレート化しておけば、次回以降は資料をアップロードするだけで即座に使えます。
まずは次の資料作成で、「経営幹部の視点で質問を挙げてください」という一言から試してみてください。自分1人では気づかなかった視点が、すぐに見えてきます。
この記事で紹介した仕組みは、Stella AI for Bizを活用して実現しています。