「また差し戻しか——」
契約締結に向けた社内決裁。
起案者が丁寧に準備したつもりでも、法務担当からの指摘を何度も繰り返す。そんな悪循環に疲弊している方は少なくないはずです。
この記事でわかること
ひな形選定から決裁文作成・整合性チェックまで3ステップで完結し、決裁前チェックの稼働を75%削減した実践法を紹介。
- 契約書ひな形を正しく選ぶためのAIプロンプト
- 決裁文案をAIで自動作成する手順
- 決裁文と添付資料の整合性をAIで一括チェックする方法
こんな経験はありませんか?
- 起案者が契約書のひな形のどれを使えばいいか分からず、間違えたまま準備が進む
- 自信満々で出した決裁申請が、添付資料の不備で差し戻された
- 法務担当として、似たようなミスを何度も指摘する作業に追われている
ひな形の選択ミス、決裁文と添付資料の抜け漏れ、チェックのたびに積み上がる工数。
この記事では、これらをまとめて解決したStella AI for Biz実践法を紹介します。
Before / After
従来、契約決裁の事前チェックは「法務担当者が全件を手作業で確認する」ことが当たり前でした。部署内の全担当者の起案内容を一つひとつ目視確認し、誤りがあれば差し戻す。法務担当にとっても起案者にとっても、大きな負担です。
Before(従来の業務フロー)
起案者が迷いながらひな形を選び、ドラフトを作成。 →法務担当が全件を手作業でチェックし、指摘・差し戻し →再提出を繰り返す
チェック業務を外部委託するなど、コストもかかっていました。
After(AI導入後)
Stella AIが適切なひな形を案内し、決裁文案を自動作成 →起案者がAIでセルフチェックし、法務への照会前に品質担保
差し戻し数が大幅に減少しました。
用意したテンプレートにしたがって入力するだけで、誰でも同じ品質のチェックが行えます。
実践STEP:わずか3ステップで完了
STEP1|契約書のひな形を正しく選ぶ
契約の種類や取引内容をAIに伝えるだけで、起案内容に適したひな形を即座に提案してくれます。 「業務委託なのか共同研究開発なのか」「納期の設定が必要か」といった判断もサポートします。
▼ プロンプト例
あなたは契約審査支援を行うアシスタントです。
アップロードされた仕様書・提案書・説明資料等を読み取り、契約の実態に即して、社内の「業務委託契約書ひな形」の中から最も適合するひな形候補を選定してください。
# 目的
アップロード資料の内容を整理したうえで、
1. 契約の基本構造を把握する
2. 社内の「業務委託契約書ひな形」から適合度の高い契約書を1〜3件選定する
3. 選定理由、主要条項、修正必要箇所、次のアクションを提示する
# 選定時に示す内容
各候補について、以下を提示してください。
- 選定理由
- 主要条項
- 修正が必要な箇所
- 次のアクション
# 選定基準
適合度・網羅性・修正容易性で判断してください。契約書名は正式名称で記載してください。
# 例外対応
適合するひな形が存在しない、または適合度が著しく低い場合は、無理に選定せず、法務担当者への相談を推奨する案内を出力してください。ここがポイント
最初の「ひな形選び」を間違えると、その後の作業がすべて手戻りになります。取引の具体情報を与えることで、AIが選定根拠まで説明してくれるため、起案者自身が「なぜこのひな形か」を理解した上で進められます。
STEP2|決裁文案をAIで作成する
ひな形が決まったら、決裁文の草案作成もAIに任せます。 必要な項目を網羅した文案が自動生成されるため、作成の手間と記載漏れのリスクが大幅に減ります。
▼ プロンプト例
あなたは社内決裁文の作成を支援するアシスタントです。
以下の入力情報をもとに、社内決裁用の起案文を作成してください。
# 出力形式
- 決裁の目的・背景(3〜5文)
- 契約概要(箇条書き)
- 契約締結の必要性・期待効果(3〜5文)
- 特記事項(リスク・注意点があれば記載)
# 注意事項
- 事実に基づいて記載し、不明な箇所は「要確認」と明示してください
- 担当者ごとの表現のばらつきが出ないよう、簡潔・明確な文体で統一してください
# 入力情報
・契約相手:〇〇株式会社
・契約種別:業務委託契約
・業務内容:△△
・契約期間:□□〜□□
・契約金額:●●円(税込)ここがポイント
情報を構造化して渡すことで、定型フォーマットに沿った文案を生成します。起案者ごとの書き方のばらつきもなくなり、法務担当が確認すべきポイントも明確になります。
STEP3|決裁文案・添付資料をまとめてチェックする
作成した決裁文案と添付資料をAIに読み込ませ、抜け漏れや整合性をチェックします。 従来は法務担当が目視で行っていた作業が、起案者自身のセルフチェックで完結できるようになります。
▼ プロンプト例
あなたは社内決裁文の事前チェックを行うアシスタントです。
添付の【決裁文案】と【添付資料】を照合し、3つの観点で問題点を指摘してください。
# チェック観点
①必須記載項目の漏れ(契約金額・契約期間・相手方名称・業務内容など)
②決裁文と添付資料の整合性(金額・日付・社名の一致、雛形と契約内容の整合性)
③表記の誤り・ゆれ(税抜・税込の混在、日付フォーマットの不統一、社名の表記ゆれ)
# 出力形式
問題が見つかった場合は、以下の形式で出力してください。
【観点①】
・指摘内容:
・該当箇所:
・修正案:
【観点②】
・指摘内容:
・該当箇所:
・修正案:
【観点③】
・指摘内容:
・該当箇所:
・修正案:
問題がない場合は「問題なし」と明記してください。ここがポイント
チェック観点を明示することで、法務担当と同様の視点で確認を行います。「税抜・税込の記載漏れ」「日付のズレ」「社名の表記ゆれ」なども瞬時に検出できます。
得られた成果
この3ステップをAI化することで、法務担当への事前照会前に担当者自身で決裁文チェックが可能となりました。
業務委託契約の決裁前チェックで稼働時間75%削減、問題検出率25%向上
Stella AI担当者の声
「これまで決裁の事前チェック業務が負担で、一部を外部へ業務委託して対応していました。しかしAI導入後は、担当者1名とAIだけで運用が回るようになり、完全な内製化を実現できました。コスト削減はもちろんですが、何より差し戻しが減って社内全体のスピード感が上がったのが嬉しいですね。工数が減っただけでなく、チェックの精度も上がったのは正直驚きでした。」
活用の手応えを受けて、対象範囲もさらに広がっています。
「まずは業務委託契約から始めましたが、NDA(秘密保持契約)や他の契約類型についても、テンプレートの作成と検証を進めています。ゆくゆくは契約の種類を問わず、同じ仕組みで回せるようにしたいと思っています。」
応用・発展ヒント
この「事前チェック&ドラフト作成」の仕組みは、法務・事務部門だけにとどまりません。
① システム開発・要件定義のセルフレビュー
開発担当者に渡す前に、業務部門がAIで要件定義書の「仕様の矛盾・記載漏れ・曖昧表現」をチェックできます。エンジニアへのヒアリング回数が削減され、プロジェクト立ち上がりのスピードが向上します。
② NDA・秘密保持契約への展開
業務委託契約で確立したテンプレートの考え方は、NDAや売買契約書など他の契約種別にも応用できます。契約の種類ごとにテンプレートを整備することで、社内の契約業務全体をカバーする仕組みが構築できます。
③ 新任担当者のオンボーディングツールとして
「どのひな形を使うべきか」「決裁文に何を書くべきか」という判断は、経験の浅い担当者にとって大きなハードルです。AIがどのような観点で指摘を行うかを見ることで、若手社員が「どこを注意すべきか」を学ぶ教育ツールとしても機能します。
まとめ
契約決裁の「差し戻し」「手戻り」は、適切なAI活用で大幅に減らせます。
ひな形選定から決裁文作成・整合性チェックまでを体系的にサポートすることで、稼働時間75%削減、ミスの検出率25%向上という成果が生まれています。
「AIに全部任せるのは不安」という方は、まずSTEP 3のチェックプロンプト1つから試してみてください。それだけでも、日々の業務ストレスがぐっと軽くなるはずです。
この記事で紹介した仕組みは、Stella AI for Bizを活用して実現しています。