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title: "顧客の本音は、直接聞いても出てこない"
description: "顧客が「困っている」と認識できない課題は、意見ではなく具体的な事実を聞くことで初めて浮かび上がります。Vol 16（2026年7月6日）で示したように、実際の作業や問い合わせ回数を質問すれば、隠れた問題を自覚させられます。"
canonical: "https://novajournal.net/question-design/question-patterns/vol-16/"
publishedAt: "2026-07-06"
author: "NOVA JOURNAL編集部"
category: "問いのデザイン"
subCategory: "仕事で使う問いの型"
tags: ["問いの技法", "業務効率化"]
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# 顧客の本音は、直接聞いても出てこない

顧客が「困っている」と認識できない課題は、意見ではなく具体的な事実を聞くことで初めて浮かび上がります。Vol 16（2026年7月6日）で示したように、実際の作業や問い合わせ回数を質問すれば、隠れた問題を自覚させられます。

**「何に困っていますか？」と聞いても、顧客の本当の課題は出てきません。意見ではなく事実を聞く。この切り替えだけで、見えるものがまったく変わります。**

### この記事でわかること

- 顧客に直接聞いても本音が出てこない理由
- 「意見」ではなく「事実」を聞くという切り替え
- 1つの会話で見る、聞き方の違いによる情報量の差

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顧客との打ち合わせ。こちらから「最近、何かお困りのことはありますか？」と聞く。

「うーん、特にないですかね。まあ概ね満足しています」。

もう少し粘る。「改善してほしい点などはありますか？」。

「強いて言えば、もう少し安いといいですけどね」。笑いが起きて、話題が変わる。

30分の打ち合わせが終わって、手元に残った情報はゼロ。顧客が意地悪をしているわけではありません。聞き方の問題です。

### なぜ「問いのデザイン」でこの話をするのか

このシリーズは「問いの設計」がテーマです。顧客ヒアリングのテクニックの話ではありません。

ではなぜ扱うのか。**顧客に対してどんな問いを立てるかで、引き出せる情報がまったく変わるから**です。「何に困っていますか？」と聞くのも問い。「先週、一番時間がかかった作業は何ですか？」と聞くのも問い。同じ相手、同じ場面でも、問いの設計が違えば出てくるものが違う。

Vol.14で「テーマと論点は違う」と整理しました。顧客ヒアリングでも同じ構造が起きています。「困っていることを聞く」はテーマ。「先週の業務で一番時間がかかった作業は何か」が論点です。

### なぜ「何に困っていますか？」では出てこないのか

理由はシンプルです。**顧客自身が、自分の困りごとを「困りごと」だと認識していないことが多い。**

毎週２時間かけてExcelに手で数字を転記している。でも、それは何年もやっている日常作業です。「困っている」とは感じない。空気のようなもので、聞かれても出てこない。

もうひとつ。解決できると知らない課題は、要望として言語化されません。「3つのシステムを開いて数字を突き合わせる作業が自動化できる」と知っていれば要望になる。知らなければ「そういうものだ」で終わる。

「何に困っていますか？」は、相手がすでに困りごとを言語化できていることを前提にした問いです。言語化できていないものは、この聞き方では出てこない。

### 意見を聞くな、事実を聞け

では、どう聞くか。**意見や感想を聞くのをやめて、事実を聞く。** これだけです。

同じ顧客との打ち合わせを、聞き方を変えてやり直してみます。

**ダメな聞き方：** 「このサービスの使い心地はいかがですか？」

→ 「まあ、普通ですね」で終わる。意見を聞いているから、当たり障りのない意見が返る。

**事実を聞く：** 「先週、このサービスを使ったのはどんな場面でしたか？」

→ 「月曜の朝にレポートを作るときと、木曜の会議前に数字を確認するとき」。具体的な行動が返ってくる。

行動を聞いたら、そこから掘ります。

「レポートを作るとき、一番時間がかかるのはどの作業ですか？」

→ 「3つのシステムからデータを出して、Excelに貼り付けて突合するところですね。だいたい丸1日かかります」。

「突合で数字が合わないことはありますか？」

→ 「毎回です。差異を探すのにさらに半日。月末は本当にきつい」。

最初の「概ね満足しています」から、5分で「毎月1.5日をデータ突合に費やしている」という具体的な課題が出てきました。

**何が違うか。意見を聞くと「満足です」で終わる。事実を聞くと、本人が気づいていなかった課題が浮かび上がる。** 「困っていますか？」には「いいえ」と答えた人が、事実を語る中で自分の困りごとに気づく。

### 事実には嘘がつけない

意見には建前が入ります。「御社のサポートはとても助かっています」。本当かもしれないし、気を遣っているだけかもしれない。

でも、**事実には嘘がつけません。** 「先月、サポートに問い合わせたのは何回ですか？」「3回です」。「そのうち、1回目の返信で解決したのは？」「1回ですね。残り2回はやりとりが3往復くらいになりました」。

本人は「サポートに満足」と言っている。でも事実を見ると、3回中2回は1回では解決していない。ここに改善の余地がある。意見を聞いていたら見えなかった情報です。

**聞くべきは「どう思うか」ではなく「何をしたか」「何が起きたか」。** 行動と出来事という事実を聞いて、そこから課題を見つける。この順番が大事です。

### やってはいけないのは「誘導」

事実を聞くときに1つだけ注意があります。**自分の仮説に誘導しないこと。**

「こういう機能があったら便利だと思いませんか？」。これは問いではなく、誘導です。聞かれれば「あったら便利かもしれませんね」と答える。でもそれは「使う」とは違う。

「この業務で一番手間がかかるのはどの部分ですか？」。こちらは事実を聞いている。答えの中に自分が想定していなかった課題が出てくることもある。誘導は自分の仮説を確認するだけ。事実を聞けば、仮説になかった発見がある。

Vol.7-8のリフレーミングを思い出してください。「自社が想定した課題」という角度だけで聞いていると、別の角度にある本当の課題を見落とします。事実を聞くのは、顧客の現実からスタートするということです。

![](/images/articles/34ab0067d96980ebb950dc18791ff1c8.png)

### まとめ

この記事のポイントを3つにまとめます。

- 「何に困っていますか？」と直接聞いても本音は出てこない。顧客自身が困りごとを「困りごと」と認識していないことが多い
- 意見ではなく事実を聞く。「どう思うか」ではなく「何をしたか」「何が起きたか」。事実を語る中で、本人が気づいていなかった課題が浮かび上がる
- 顧客ヒアリングは「聞く技術」の問題ではなく「問いの設計」の問題。同じ相手でも、問いの設計が違えば引き出せる情報がまったく変わる。第2部の操作技法は、顧客に向ける問いにもそのまま使える

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次回は「データ分析」を扱います。数字を「見る」前に「何を見るか」を決めているか。データを眰めてから考えるのと、問いを立ててからデータを見るのでは、分析の精度がまったく違います。
